温かく抱きしめて/ミクリ(pkmn)
今日も一仕事を終えて帰路につく。
帰っても一人暮らしで、家には誰もいないのだろうけれど。
「ただいま」
誰もいない、わかっていてもつい言ってしまうのはきっと、心のどこかで返事を期待しているから。
「やぁ、おかえり」
「………………え」
リビングに入ると真っ先に目に入ったのは、この時間帯では見慣れない人物。
当の本人、ミクリはわたし専用のソファにどっかりと腰かけて、さも当たり前のように言葉を紡いだ。
「いつもお疲れさま」
「……ミクリ……………」
ミクリはソファから腰を上げて、キッチンに向かう。
「ホットミルクでも作ろうか」
「な、んで…来て……」
わたしは背中に問いかけた。
驚きで上手く言葉が出てこない。
それでもミクリは、わたしの言いたいことがよくわかるらしい。
振り向いて笑顔を向けてくれた。
「最近、君は仕事漬けじゃないか。ろくに会う時間もなかっただろう?」
「で…でも」
「恥ずかしい話だが、どうも私には君が必要みたいでね。会いに来た」
ミクリとは恋人同士だけれど、確かに最近は会う時間がなかった。
まさかミクリが自分の時間を削ってまで会いに来てくれるなんて。
嬉しさと申し訳ない気持ちが絡み合って、心がぐちゃぐちゃする。
あぁミクリ、わたしは寂しかったよ、あなたはわたし以上に寂しかったんだね。
「…おや、泣いてるのかい」
「な、泣いて…なんかっ」
「いいんだよ、おかえりナマエ」
ねぇ、お願い。
温かく抱きしめて
二人でソファに腰をかけてミクリの作ってくれたホットミルクを飲む。
少し狭いけど、久しぶりにミクリをこんなに近くに感じた。
「…ナマエ」
「ん?」
「愛しているよ」
元相互さまへ、相互記念作品
写真撮影/ランス(pkmn)
今日も今日とてわたしはロケット団にちゃっかり混ざっている。
最初はアポロやランスに追い出されていたけれど、もはや当たり前となったこの光景には誰も何も言わなくなっている。
「ランス、一緒に写真撮らない?」
「……結構です」
デジタルカメラを片手にランスに声をかける。
しかし彼はこちらをちらりと見ただけですぐに興味なさそうに視線を戻した。
「なんでよー」
「仕事中です」
「ちょっとだけ」
「仕事中です」
見向きもしてくれないランス。
この人はノリが悪い。
「じゃあアポロと撮ろーっと」
「………」
ついには何も言わないランスをさし置いて、わたしはアポロのもとへと向かった。
「アーポーロー」
「今日はどうしましたか」
「一緒に写真撮ろっ」
「ふむ……まぁたまにはいいでしょう」
やった、さっすがアポロ。
カメラを机の上に置いて、セルフタイマーを設定する。
アポロの隣に行ってピース。
カシャッ、というカメラ独特の撮影音が鳴る。
それと同時にまばゆいフラッシュが放たれた。
「撮れましたか」
「わたし目閉じちゃったかもー」
さっき撮影した写真を確認する。
すると、わたしとアポロの後ろを誰かが通過していた。
思いっきりぶれててある意味ホラー。
「アポロ、なんか写ってる」
「どれ……見たことある色ですね」
二人で後ろを向くと、そこには案の定。
「……ランス、一緒に写りたいならそう言えばいいじゃない」
「ち、違っ…私はたまたま後ろを通っただけでして、その時偶然にもあなた方が写真撮影してたのですよ!」
「アポロ、撮り直す?」
「すみませんが、そろそろ仕事に戻らなくてはいけないので…また次の機会にでも」
アポロは仕事をすると言うので、わたしはしぶしぶ部屋を出た。
後にはランスがついて来ている。
写真撮影
「……ナマエ」
そういえばアポロはランスが勝手に部屋に入っていたことに何も言わなかったなぁとかそんなことを考えていたら、後ろの不法侵入者に名前を呼ばれた。
「どうかした?」
「写真、一枚だけなら一緒に撮ってやらなくもないですが」
「なんか面倒だからもういいや」
「………」
元相互さまへ、相互記念作品
チキンハートを克服せよ/マツバ(pkmn)
別に待たされてることはいい。約束の時間ぴったりに起床したことも特に気にしない。今はそんな小さいこと一々気にしていられない。それほど心に余裕がない状況だから。
「あーどうしよー」
「…ねぇ、ナマエ」
僕が呼びかけるとそれに応じてナマエは動きを止めた。けれど僕は後悔した。止めなければよかった。この行動によって自分自身が更に追い詰められてしまった。
「なに?あ、遅すぎるって?」
「そうじゃなくて…、その…」
「ちょっと待って。すぐ決めるから…」
そう言ってナマエはまた動き出す。よか…ったとはあまり言えない。別に状況が改善されたわけじゃないんだ。ナマエが早く服を着てくれればそれで済むことなんだけど…。
そう。ナマエは今下着姿だ。だから僕は目の当て所がないわけで。でもやっぱり男の性なのか気になるし…とにかく心というか理性に余裕がない。一体どうすればナマエは服を着てくれるだろう。
うーん…困ったなぁ。
悶々としていると、一つの考えが浮かんだ。そうだ、僕が一緒に決めてあげればいいんだ。ナマエは今、何を着ようか迷っている。それなら僕が一緒に選んであげることですぐ決まる。つまり早く服を着てくれる。
「これも…いやでもこっち…」
「…僕はこっちがいいと思うよ」
「ほんと?じゃあこっちにしようかな」
ナマエは満足そうに、落ち着いた色味のワンピースを身に纏った。うん、綺麗だ。これでようやくナマエをちゃんと見ることができる。
「じゃあそろそろ行こうか」
「…ねぇ、マツバってさ」
「優しすぎるよね」
「え…そうかい?」
彼女は褒めている様子ではなかった。それどころか、どことなく拗ねているとも受け取れる言い方だった。どうしたんだろう。実はワンピースじゃない方が良かったのかな。
チキンハートを克服せよ
女の子の気持ちは難しいね
元相互さまへ、諸祝い作品
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